| ■青山スパイラルホールにて、大竹しのぶ一人芝居「売り言葉」。作・演出もちろん野田秀樹■昨年「弁剛史郎」の稽古中のこと…。稽古場の片隅の倉庫みたいなスペースに、場所をお借りしている会社の従業員の方の私物と思われる多数の古びた文庫本が積み上げられているのを見つけた。どう見ても忘れ去られている状態だったこともあり、ちょっと拝見と、セザンヌのタヒチ島での日記など面白く拾い読みさせていただいた。その中に高村光太郎「智恵子抄」があったのだ■芸術家が、妻に捧げる愛を、妻の美しさとそれが心の病によって変容してゆく様を描いた、熱く、哀しい言葉たち■少し後に観たこの「売り言葉」は云わば「裏読み・智恵子抄」である■田舎出の無垢な女学生・智恵子が光太郎にナンパされ共に暮らしやがて心を病み夫の浮気を知りさらに心を…。光太郎というのはとんでもない身勝手な悪人だと、身も蓋もなく云えばそう描かれている■しかしつくづく大竹さんという女優の技術はスゴイ。狂気の演技というのはある意味紋切り型に陥りやすいと思うのだが、それを遥かに超越した迫力。一人芝居というより一人芸鑑賞会という感じ■この先日本は戦争への道をひた走って…という表現なんだけど、玉音放送で芝居を締めるのはどーだろう?■ |